
賃貸物件を探していると、「できれば築浅のマンションがいい」と考える方は多いのではないでしょうか。
物件検索サイトでも「築5年以内」「築10年以内」といった条件を設定することはできますし、築年数は建物の新しさを判断するうえで分かりやすい数字です。
ただ、実際の部屋探しでは、「築年数が古い=住みにくい」とは限りません。
例えば、築20年を超えていても、共用部分がきれいに保たれ、設備も定期的に交換されているマンションがあります。
一方で、築年数がそれほど経っていないにもかかわらず、共用廊下やゴミ置き場などに「なんとなく古びた印象」を受ける物件もあります。
では、築年数以外のどこを見れば、そのマンションの状態が分かるのでしょうか。
今回は、物件情報の「築年数」だけでは判断できない、“古いマンション”を見分けるためのチェックポイントをご紹介します。
「築年数」と「建物の状態」は別物
まず押さえておきたいのが、築年数はあくまで「建物が建ってから何年経っているか」を示す数字だということです。
築20年なら、20年間使われてきた建物ということは分かります。
しかし、その20年間にどのような管理や修繕が行われてきたのかまでは、築年数だけでは分かりません。
同じ築20年でも、
「定期的に修繕されているマンション」と
「必要なメンテナンスが十分に行われていないマンション」
では、見た目も設備の状態も大きく異なります。
つまり、部屋探しでは「築何年か」だけではなく、**「築何年で、今どんな状態なのか」**を見ることが大切なのです。
まずは部屋ではなく「共用部分」を見る

内見すると、多くの人はすぐに部屋の中を確認します。
壁紙はきれいか。
キッチンは新しいか。
お風呂はきれいか。
収納は十分か。
もちろん、これらは重要なポイントです。
しかし、建物全体の状態を知りたいのであれば、部屋の外にも注目してみましょう。
エントランス、廊下、階段、エレベーター、駐輪場、ゴミ置き場などです。
例えば、床や壁の汚れが長期間放置されていないか、照明が切れたままになっていないか、掲示物が何カ月も貼りっぱなしになっていないか。
こうした部分は、日頃の管理状態を知るヒントになります。
築年数が古くても、共用部分が清潔に保たれているマンションなら、「古いけれどきちんと管理されている」という可能性があります。
反対に、築年数が比較的新しいのに、共用部分の清掃や整理が行き届いていない場合は、少し注意して見ておきたいところです。
「古い設備」と「古いまま放置された設備」は違う
築年数の経ったマンションでは、設備の古さも気になるところです。
キッチン、浴室、トイレ、給湯器、エアコン、インターホンなど、設備にはそれぞれ寿命があります。
ただし、ここでも「古い=悪い」と決めつける必要はありません。
例えば、築25年のマンションでも、入居者の入れ替わりに合わせてキッチンや浴室がリフォームされていたり、エアコンが交換されていたりするケースがあります。
逆に、設備そのものが古いだけでなく、傷や汚れ、劣化などが長期間そのままになっている場合は、より注意して確認したいポイントです。
設備を見るときは、
「新しいか、古いか」ではなく、「適切に維持されているか」
という視点を持ってみましょう。
壁紙がきれいでも、安心とは限らない
賃貸物件では、退去後に壁紙を張り替えることがあります。
そのため、築30年のマンションでも、室内に入った瞬間は「思ったより新しい」と感じることがあります。
もちろん、室内がきれいなのは良いことです。
ただ、壁紙は比較的交換しやすい部分です。
せっかく内見するのであれば、壁紙だけではなく、窓やサッシ、床、建具、収納、水回りなどにも目を向けてみましょう。
特に窓やサッシは、毎日の生活に関わる重要な部分です。
窓がスムーズに開閉できるか。
建付けに違和感がないか。
窓枠にカビや結露の跡がないか。
見た目だけではなく、実際に生活したときに使いやすいかを意識すると、物件の見方が変わります。
「大規模修繕」が行われているか
マンションを長く維持するためには、定期的な修繕が重要です。
外壁や屋上、防水、共用部分などを計画的に修繕することで、建物の状態を維持していきます。
そのため、築年数が経っている物件を見るときには、これまでどのような修繕が行われてきたのかも確認してみましょう。
例えば、外壁がきれいに塗り直されている、エントランスが改修されている、共用部分の設備が更新されている、といったケースがあります。
もちろん、外観だけで修繕状況のすべてが分かるわけではありません。
気になる場合は、不動産会社に「これまでに大規模修繕は行われていますか?」と聞いてみるのも一つの方法です。
築年数という数字だけで判断するよりも、建物がこれまでどのように維持されてきたのかを確認する方が、より具体的な判断材料になります。
意外と見落としやすい「におい」

内見では、目で見るだけでなく、においもチェックしてみましょう。
玄関を開けたときのにおい。
キッチンや洗面所など水回りのにおい。
収納の中のにおい。
共用廊下やエレベーターのにおい。
長期間空室だった物件では、多少独特なにおいがすることもあります。
一方で、カビや湿気、排水などが原因となっている可能性もあります。
一度の内見だけで原因を判断することは難しいため、「何となく気になる」という場合は、そのままにせず、不動産会社に確認してみましょう。
物件選びでは、スペック表に出てこない自分の感覚も意外と重要です。
「掲示板」と「ゴミ置き場」もチェック

少し意外なチェックポイントが、マンションの掲示板です。
掲示板には、ゴミ出しのルールや設備点検のお知らせ、管理会社からの案内などが掲示されています。
もちろん、掲示板だけでマンションの良し悪しを判断することはできません。
ただ、掲示物が整理されているか、古い案内がいつまでも残っていないかなどを見ることで、共用部分がどのように管理されているかを考える材料にはなります。
同じように、ゴミ置き場も確認しておきたい場所です。
ゴミが散乱していないか、分別ルールが守られているか、清掃が行われているか。
建物の築年数よりも、**「現在どのように使われ、管理されているか」**が見えてくる場所でもあります。
“古いマンション”だからこそのメリットもある
ここまで読むと、「やっぱり築浅の方がいいのでは?」と思うかもしれません。
しかし、築年数が経っているマンションには、築浅物件にはないメリットもあります。
例えば、築年数が経っていることで家賃が抑えられている場合があります。
また、比較的広い間取りが選びやすかったり、駅から近い立地に古くから建っているマンションが見つかったりすることもあります。
「築浅・駅近・広い・家賃が安い」という条件をすべて満たす物件は、当然ながら選択肢が限られます。
一方で、「築年数は少し妥協する代わりに、駅から近い」「築年数は経っているけれど、室内がリフォームされている」と考えると、物件探しの幅は広がります。
大切なのは、築年数を妥協することではなく、築年数以外の条件とのバランスを考えることです。
結局、何を見ればいい?
最後に、内見時に確認したいポイントをまとめてみましょう。
- エントランスや廊下などの共用部分はきれいに管理されているか
- ゴミ置き場や駐輪場が整理されているか
- 設備に目立った劣化や不具合がないか
- 窓やサッシ、建具がスムーズに使えるか
- 水回りや収納に気になるにおいがないか
- 掲示板などが整理されているか
- 修繕や設備交換が適切に行われているか
- 室内だけでなく、マンション全体の状態を確認したか
これらを確認すると、「築年数」という一つの数字だけでは見えてこなかった物件の特徴が分かってきます。
まとめ

部屋探しで「築浅」という条件を重視すること自体は、決して間違いではありません。
ただし、築年数が新しいことと、快適に暮らせることはイコールではありません。
反対に、築年数が経っているからといって、必ずしも「古くて住みにくいマンション」というわけでもありません。
大切なのは、
「何年経っているか」ではなく、「何年経って、今どんな状態なのか」。
この視点を持って物件を見ることです。
物件検索サイトでは築年数を条件に入れることができますが、検索結果から候補を絞り込みすぎると、実は自分に合っている物件を見逃してしまうこともあります。
「築年数は少し古いけれど、駅に近い」
「築年数は経っているけれど、室内はきれいにリフォームされている」
「築年数は古いけれど、管理状態が良く家賃とのバランスがいい」
そんな物件も、選択肢に入れてみる価値があります。
写真や物件情報だけでは分からないことも多いからこそ、気になる物件は実際に内見してみましょう。
築年数という数字だけではなく、「この建物で気持ちよく暮らせそうか」という視点で見ること。
それが、後悔しないマンション選びにつながるかもしれません。








